途中下車をして街を歩いた
今にも一雨降りそうな
去年と同じ この街で
風の香りを 感じて歩く
溢れるほどの 懐かしさの中で
忘れないよ きっと
この胸の鼓動 高鳴った今を
途中下車をして駅に帰った
急いでるわけじゃないけれど
去年と同じ 快速の
幸せ顔で話す人たち
静かに横で ただ眺めてるだけ
忘れないよ きっと
あの街の柳 揺れていた午後を
流れる流れる 時を越えて
何もかも 線になり
流れる流れる 水のように
穏やかに リズムさえ 刻まずに
ホームに着けば ひどい雨音
駆け足でみんな 降りて行く
シートの温もりを 服に残して
最後にひとり ぽつんと降りた
気が付かぬ儘 またため息を付く
忘れないよ ずっと あの街の風に包まれたこと
|